この解説は非公式です。
本記事は、神山まるごと高専が公開している2026(令和8)年度 入学試験 学力試験(数学)A方式・B方式共通の問題をもとに、学習用として独自に作成した解答・解説です。学校公式の解答・見解ではありません。
おすすめの使い方
- 最初に問題を自分で解く
- 正解一覧で答えを確認する
- 間違えた問題だけ解説を読む
- 最後に「なぜその方法で解けるのか」を説明できるか確認する
正解一覧
大問1: ア=−、イ=2、ウ=9、エ=4、オ=8、カ=4、キ=4、ク=1、ケ=0、コ=3、サ=−、シ=2、ス=3、セ=6、ソ=②
大問2: ア=4、イ=1、ウ=3、エ=2、オ=3、カ=1、キ=2、ク=3、ケ=1、コ=3、サ=1、シ=1、ス=2、セ=1、ソ=3、タ=4
大問3: ア=②、イ=2、ウ=2、エ=2、オ=8、カ=2、キ=4、ク=2、ケ=4、コ=3、サ=3、シ=4、ス=6、セ=2、ソ=5、タ=9、チ=5、ツ=3、テ=4、ト=6、ナ=2、ニ=1、ヌ=0、ネ=1
大問4: ア=1、イ=0、ウ=9、エ=1、オ=0、カ=6、キ=7、ク=2、ケ=1、コ=2、サ=2
大問1 基本小問
(1) 分数の四則計算
割り算は逆数の掛け算に直し、累乗を先に計算します。
3/2 ÷ (−9/4) + (−2/3)²= 3/2 × (−4/9) + 4/9= −2/3 + 4/9= −6/9 + 4/9= −2/9
問題の指示に合わせると、ア=−、イ=2、ウ=9 です。
(2) 式の値
(x−5)²(x+5)² は、先に (x−5)(x+5) をまとめると計算が楽になります。
(x−5)²(x+5)² = {(x−5)(x+5)}² = (x²−25)²
x²=3 なので、
(3−25)² = (−22)² = 484
エ=4、オ=8、カ=4 です。
(3) 倍数と余り
「3で割っても7で割っても1余る」数は、1を引くと3でも7でも割り切れます。
3と7の最小公倍数は21なので、条件に合う数は 21×整数+1 の形です。
- 22
- 43
- 64
- 85
2桁のものは4個なので、キ=4 です。
(4) 直線の式
点A(0, 6)、B(3, 0)を通る直線の傾きは、
(0−6)/(3−0) = −2
切片は6なので、直線の式は y=−2x+6 です。
点P(k, −14)を代入すると、
−14=−2k+62k=20k=10
ク=1、ケ=0 です。
(5) 連立方程式
条件を2本の式に分けます。
2x+y=4x−2y−3=4
2本目を整理すると x−2y=7。1本目から y=4−2x として代入します。
x−2(4−2x)=75x=15x=3
y=4−2×3=−2 なので、コ=3、サ=−、シ=2 です。
(6) 正多角形
内角が170°なら、外角は 180°−170°=10° です。
多角形の外角の和は360°なので、
360°÷10°=36
よって正36角形です。ス=3、セ=6 です。
(7) 資料の活用
階級ごとの度数を見やすく表すには、ヒストグラムが適しています。
したがって、ソ=② です。
大問2 放物線と面積
(1) aの値と直線AB
点A、Bは y=ax² 上にあり、x座標はそれぞれ−1、2です。
A(−1, a)B(2, 4a)
直線ABの傾きは、
(4a−a)/(2−(−1)) = a
問題文より傾きは1/3なので、
a=1/3
点Aを通り、傾きが1/3だから、直線ABは、
y=x/3+2/3
です。ア=4、イ=1、ウ=3、エ=2、オ=3 です。
(2) 面積を半分にする点D
直線ABとy軸の交点をCとすると、C(0, 2/3) です。
OCを底辺にして左右の三角形に分けると、
△OAC=1/2×2/3×1=1/3△OBC=1/2×2/3×2=2/3
したがって、
△OAB=1
なので、カ=1 です。
直線OBはO(0, 0)、B(2, 4/3)を通るので、
y=2x/3
Dのx座標をdとすると、
D(d, 2d/3)
と表せます。キ=2、ク=3 です。
四角形OACDの面積は、
1/3+1/2×2/3×d=(d+1)/3
です。ケ=1、コ=3、サ=1 です。
これが△OABの半分、つまり1/2になればよいので、
(d+1)/3=1/2d=1/2
したがって、
D(1/2, 1/3)
です。シ=1、ス=2、セ=1、ソ=3 です。
点Pが4通りになる理由
△BCPと△BCDは、どちらも底辺をBCと考えられます。
同じ底辺をもつ三角形では、高さが同じなら面積も同じです。したがってPは、BCに平行で、BCからDと同じ距離にある直線上にあります。
そのような直線はBCの両側に1本ずつあります。2本の直線は放物線 y=x²/3 とそれぞれ2点で交わるので、
2×2=4
よって、条件を満たす点Pは4通りです。タ=4 です。
プログラミングにつながる考え方
コンピュータで図形を扱うときも、「放物線と直線の交点を求める」「座標から面積を計算する」といった処理を式にして実装します。見た目だけで判断せず、座標と計算で確かめる考え方が重要です。
大問3 正多角形で円周率をはさむ
(1) 円周率の定義
円周率は「円周の長さ÷直径」です。したがってア=② です。
(2) 正方形で円をはさむ
半径1なので、円の直径は2です。
内接正方形は対角線が2なので、1辺は √2 です。問題の空欄は √(イ) の形なので、イ=2 です。
外接正方形の1辺は直径と同じ2なので、ウ=2 です。
周の長さを比べると、
4√2 < 2π < 8
問題で与えられた √2=1.41 を使うと、
2.82 < π < 4
です。エ=2、オ=8、カ=2、キ=4 です。
面積を比べると、
2 < π < 4
なので、ク=2、ケ=4 です。
(3) 正六角形で円をはさむ
内接正六角形は、1辺1の正三角形6個に分けられます。
周は6、面積は、
6×√3/4=3√3/2≈2.595
です。
外接正六角形は1辺が 2/√3 なので、周は 4√3≈6.92、面積は 2√3≈3.46 です。
したがって、
3 < π < 3.46
コ=3、サ=3、シ=4、ス=6 です。
面積からは、
2.595 < π < 3.46
セ=2、ソ=5、タ=9、チ=5、ツ=3、テ=4、ト=6 です。
(4) 正n角形と96角形
半径1の円の円周は 2π なので、内接正n角形の周をl_n、外接正n角形の周をl'_nとすると、
l_n < 2π < l'_n
となり、ナ=2 です。
アルキメデスは正96角形を使って、
3 10/71 < π < 3 1/7
を示しました。したがって、ニ=1、ヌ=0、ネ=1 です。
発展:辺の数を増やすとどうなるか
正4角形より正6角形、正6角形よりさらに辺の多い正多角形の方が円に近づきます。
「内側の正多角形の周 < 円周 < 外側の正多角形の周」という考え方を使えば、辺の数を増やすほどπの範囲を狭くできます。これは、コンピュータで近似値を求める考え方にもつながります。
大問4 覆面算と全探索
問1 SEND + MORE = MONEY
位ごとの「くり上がり」に注目します。
- 4桁+4桁で5桁になるので、万の位へのくり上がりは1。よって M=1。
- 千の位を考えると、M=1であることから O=0。
- 百の位から千の位へのくり上がりが1だとN=0になり、O=0と重なってしまうため、千の位へのくり上がりは0。したがって
S+1=10となり、S=9。 - 一の位ではくり上がりがあるので、
D+E=Y+10。 - 十の位・百の位も順に調べると、E=5、N=6、D=7、R=8、Y=2 に決まります。
確認すると、
9567+1085=10652
です。
問2 掛け算の覆面算
位取りを使って式にします。
ABAB=1000A+100B+10A+B=101(10A+B)
BA=10B+A
したがって、
ABAB×BA=101(10A+B)(10B+A)
となります。
(6) 全部で72通り、5桁は12通り
A、Bは1〜9の異なる数字なので、
9×8=72
通りです。
積が5桁になる条件は、
101(10A+B)(10B+A) < 100000
です。左側の積は整数なので、
(10A+B)(10B+A) ≤ 990
と考えられます。
基本の組は、
(1,2), (1,3), (1,4), (1,5), (1,6), (2,3)
の6組で、AとBを入れ替えたものもあるので、
6×2=12通り
です。
(7) 回文数になるもの
5桁になる12通りを実際に調べると、回文数になる積は、
12×21×101=25452
だけです。
AとBを入れ替えた (2,1) でも同じ積になるので、条件を満たす組は2通りです。
プログラミングで全探索して確認する
この問題は、AとBの候補が72通りしかないので、コンピュータなら全て試して確認できます。
for (let A = 1; A <= 9; A++) { for (let B = 1; B <= 9; B++) {
if (A === B) continue;
const ABAB = 101 (10 A + B);
const BA = 10 * B + A;
const value = ABAB * BA;
const fiveDigits = value < 100000;
const s = String(value);
const palindrome = s === s.split('').reverse().join('');
if (fiveDigits) {
console.log(A, B, value, palindrome);
}
}
}
人間は数学で条件を絞り、コンピュータは漏れがないか確認する。この組み合わせは、プログラミングでもよく使う考え方です。
この問題で身につけたいこと
- 式を変形して、計算を簡単にする
- 座標と面積を結びつけて考える
- 図形を内側と外側からはさんで近似する
- くり上がりや条件を一つずつ整理する
- 候補が少ないときは全探索で確認する
答えだけを覚えるのではなく、「なぜその式になるのか」「なぜその候補だけでよいのか」を説明できるようにすると、似た問題にも対応しやすくなります。